複業研究家・西村創一朗さん|社内限定座談会の様子

>

複業研究家としてご活躍されている西村創一朗さん(株式会社HARES CEO ランサーズ株式会社)をお招きして、エッグシステム社内限定の座談会を開催いたしました!

昨今話題となっている「複業(※)」「働き方」「ワークライフバランス」に関して、西村さんへご質問させていただいた座談会の様子の一部を公開しますので、ぜひお役立ていただければと思います。

※本業での収入を補うために行う補助的な仕事のことを「副業」と呼ぶのに対して、「複業」とは、複数の仕事を持つことを指し、プロ意識をもって取り組み、仕事の相乗効果や新たな人脈の形成・今後のキャリアアップのための経験やスキル向上を目的としているものです。

弊社代表の高橋は本業の会社へ勤めながら、株式会社エッグシステムを立ち上げました。また、座談会の場にいた西村さんをはじめ、現在弊社に関わっているシステムエンジニアメンバー、当日手伝ってもらったカメラマンまで、全員複業中ということもあり、参加者全員が自分事として抱えている課題に真正面から向き合えた時間でした。(主催者である高橋だけは、現在複業はしておりませんが……汗)

5日平日の月~金が仕事(週の半分をランサーズ、残り半分を自分の会社)、土日は基本的にプライベートな時間にあてている、西村さんから、お話をお伺いいたしました!

 

そもそも、やらないということが最高の時短テクニック

西村創一朗さん(以下、西村さん):

元々リクルートキャリアにいて、複業で自分の会社立ち上げて。

当時は朝9時か10時には会社へ行って、早くても定時は18時という状況で、家から会社までの通勤時間が片道1時間半往復3時間で、その時間が非常にもったいないと思っていました。もっと娘と過ごす時間に充てられたらなあと。

そこで、働き方を変える手段として、会社を辞めて独立しました。なので、なるべくファミリーファーストな時間の選択をしたいなっていうのがあって。

極力イベントや会食は週12日にしています。それ以外の日は16時半には仕事を切り上げて、電車が混み始める前に、座って帰れる時間に電車へ乗って帰ります。その代わり、朝は早く、基本的には23時に寝て5時には起きる生活をしていて、6時台の電車に乗って7時にはもう仕事をしています。

 

高橋翼:

西村さんは多岐に渡るお仕事をされている中で朝シフトにしてきたということで、どうやって時間を有効に活用しているのでしょうか?

 

西村さん:

時短テクニック的なことはいっぱいあるんですけど、一番は細かなテクニック論というよりは、考え方かなと思っています。

考え方のフレームワークとして、イクルスフレームワーク(E・C・R・S)っていうんですけど、仕事をどうマネジメントするか、どう効率よく働くかっていうことを、どういう順番で考えるべきかっていうのをフレームワーク化したものです。

EはEliminate(排除する)、CはCombine(組合せる)、RがRearrange(並び替える)、SはSimplify(単純化する)。このECRSの順番で仕事を棚卸していくことが大事だっていう考え方なんです。

※ECRSについて

 

よくありがちなのが、Sから入っちゃうパターン。今やっている仕事をどう早く終わらせるかをやりがちです。

このSimplifyのテクニックでよく知られたものは辞書登録機能かな。僕は1週間に1回でも使う可能性がある単語は辞書登録していて、基本的にメッセの返信も全部数タップで終わるようにしていますね。よく送るリンクはコピペせずに2文字くらい打ったらリンクが出てくるとか、プロフィールもプロ、って打ったらリンクが出てくるんですよね。

そういうテクニックにフォーカスされがちだなって思うんですけど、それはむしろ最後で、最初はEから始めることが大事です。

Eliminate、これは日本語で言うと「排除する」。そもそも、やらないっていうのが最高の時短テクニックなんですよね。
ルーティーンだからついついやってしまっていたけど、これ本当に意味ある?っていうことから始める。やらないことを決めることが戦略論では一番重要。

で、排除したらCombineCombineっていうのは今まで別々にやっていたABとういう仕事を、組み合わせて一緒にやってしまうっていうこと。

Rearrangeは仕事の順番を並び替えるっていう発想ですね。例えば、資料を完成させてから確認するんじゃなくって、ドラフトが出来上がった段階で、パワポ資料を作る前に、ワードベタ打ちとかメールベタ打ちくらいで送って、確認してから作るっていう。順番並び変えるだけで仕事の無駄が半分省けますよっていうこと。

このECRをやり切った上でどうしてもやらなきゃいけないことに関しては、どうやってこの距離を最短で走れるか、速さを上げることを頭に置いているっていう。

まずはEから始めるっていうことが大事で、やらないことを決めるっていうのは、会社員時代も、今のハイブリッド会社員のときでも重要視していますね。

 

 

二兎を追って二兎を得るためには・・・

高橋翼:

自分の場合はやりたいことが多すぎてパンクしてしまうことがあるのですが、どうやってバランスを取っていますか?

 

西村さん:

何かやりたいってなったら、「じゃあ何を辞める?」っていう思考になるんです。Eから考えるっていうことが大事で。
どれも辞められないなって結構あるじゃないですか。でもCだといけることって結構あったりして、これと組み合わせちゃえばいけるじゃん、みたいな。

Eがどうしても出来ないときはCでカバーするっていうのはやってますね。
僕は「二兎を追って二兎を得る」という理念でやってますけど、二兎を追って二兎を得るためには、二兎が同じ方向に逃げてもらえれば捕まえられるわけですよね。バラバラになっちゃうと人間の手と体って限りがあるんで、もしかしたら選べなくなっちゃうかもしれない。同じ方向に逃げてもらえれば、そこを上手く、二兎とも獲ることができるんで。そういう発想ですよね。いかについでに合わせるかっていう。

 

 

仕事だけではなく家庭でもギブから始める

システムエンジニアメンバー:

家庭と仕事のバランスはどのように取られていますか?

 

西村さん:

好きなことって楽しいので、ついつい熱中しがちです。でも時間は限られていて、家族の時間が削られたり、睡眠時間とか食事の時間が削られてしまい、気付けば自分の体と心を蝕んじゃう、というのが陥りがちなパターンだと思うんですね。

だからこそ、家族と過ごす時間をあらかじめロックしておく。それは時間をロックするでもいいし、曜日をロックするでもいいし、家族と過ごす時間を確保しておいてその時間はないものとしてみなす。

例えば、夜の予定は週1日、多くて2日とか、一週間のうち半分以上は家族と食べるって決めるとか。ロックした上で、残された時間で如何に本業も複業もやるか。僕の場合、月に1回は平日に1日休みを入れて、妻と過ごす時間は必ず作っています。1031日が結婚記念日なので1日休みを取って、ハロウィンのディズニーランドへ行ってました。

家族との関係性を大事にしておくと、奥さんも僕のことを理解して尊重してサポートしてくれるようになったりするので、ギブアンドテイクですよね。

ギブから始めようって仕事でも言いますけど、家庭でもそうだなぁと思っていて時間を確保するという形でギブすると、向こうからも返ってきて、それが仕事のエネルギーになったりする日もあります。仕事でパフォーマンスを出すためにこそ、家族との時間をロックしておくことが結構重要な気がしますね。

 

 

従業員の複業を認めると、結果的に社員が辞めなくなる

システムエンジニアメンバー:

会社の仕事で引き合いはあっても人がいなくて、仕事を受けられない状態が続いていて……。中途採用や新卒採用を増やす方に目が向きがちなんですけど、よくよく見てみると、若手エンジニアが流出しているんですよね。そこで、上手く複業を絡めてエンジニアとして楽しく、やりがいをもって仕事をできるような会社の雰囲気作りをするためにどうしたら良いのでしょうか?

 

西村さん:

人が足りない、というと新規採用に走りがちなんですけど、基本的に人材において、マイナス、つまり出ていく人(退職・離職)をいかに減らすかを考えなきゃいけなくて。マーケティングのたとえ話で、「バケツに穴が開いた状態で水を入れることほど無意味なことはない」って話がありますが、今の話も全くその通りです。

それと複業がどう関係しているかっていうと、一般論から入りますが、最新の2018年の転職情報サイトの転職理由ランキング、第一位はなんだと思います?

「仕事の内容を変えたい」なんですよ。

新しい仕事にチャレンジしたいっていうことで、これって実は複業によってある程度できるんです。

つまり、今やっている仕事の成長曲線がなだらかになってきて、モチベーションが上がらなくなってきたときに、また角度をつけて上げていくために複業をする。会社を辞めて、今まで以上に幸せになれるかわからない環境へ飛び込むよりは、会社を続けながら複業という形で新しい仕事にチャレンジするっていう選択肢を持てることが、結果的にその会社を辞める理由を減らすことに繋がります。

従業員の複業を認めると、結果的に社員が辞めなくなるというのは、実際、統計的に表れていて、本業でのモチベーションが上がって本業でもより成果が出るということも、調査で明らかになっているんですね。

もうひとつ別の観点から言うと、複業採用っていう考え方があって、つまりプロ人材を複業で採用する。週に4050時間割くことは難しいかもしれないけど、週に10時間協力してもらい、複業として会社に関わってもらうっていう選択肢なので、これも増えてますね。

複業という選択肢が増えることは、結果的に今会社が調達できていない新しいリソースを増やすということにも繋がるし、今抱えている社員を辞めさせずに働いてもらうっていう人材確保にもつながるので。人材不足解消にもつながっていくのかなと思います。

 

 

お金を稼ぐっていうことから複業を始めると、苦戦して半年も続かず辞めてしまう

システムエンジニアメンバー:

自分はこれから結婚するんですけど、一番不安なのはお金です。子供ができるとお金がかかりますし、今のままで大丈夫なのかと……。お金に対して西村さんがどのように考えているのか、お聞きしたいです。

 

西村さん:

お金の観点ってすごく大事で、中長期の視点で見たときに自分の所得を増やしていく、あるいは収入元を多様化していく上で複業をとらえるってすごく大事なことだと思うんです。

実際に調査してみると、3,000人のうち複業に興味がある人は88%(2,640人)います。2,640人は、なぜ複業に興味があるかっていうと、お金を稼ぎたいからです。これを悪いとは言わないんですけど、お金を稼ぐっていうことから複業を始めちゃうと、結構苦戦して半年も続かず辞めちゃう人が53%、ということが起きるんですね。

これはすごく難しい話で、中長期的に見ればもちろん複業をやった方が自分の選択肢は増えるものの、短期的な視点で稼ごうとするとうまくいかないって話なんですね。

なんでこういうことが起きるかっていうと、複業で最初はみんなアマチュアからスタートするからなんですね、残念ながら。

つまり、自分が誰かに「是非あなたに何万円払ってお願いしたいです」って言ってもらえるものがない状態でスタートするので、最初はほとんどお金がもらえない。けれども、自分のスキルや経験を高めて、ある程度経験が高まり実績も出てきて、信用がたまっている状態だと「是非お願いしたいです」っていう風に、アマからプロにステップアップできる瞬間が訪れるんです

そこまで結構時間がかかるので、その過程で、今楽してお金を稼ぎたいと考えてしまうと挫折しがちなので、中長期的に考えて複業をどう位置づけるか。今お金を稼ぐためにやるのではなくて、中長期的に自分の所得を増やすために自分の市場価値を上げるために、今は修行期間なんだって考えて、複業に向き合えれば乗り越えられます。

 

 

複業を切り口にした人生の教科書、「複業の教科書」

座談会の最後に、「二兎を追って二兎を得られる世の中を創る」というビジョンのもと、企業向けに複業解禁の支援や、複業の学校「HARES UNIVERSITY」の運営などを行う西村さんが、2018年12月13日(木)に出版される『複業の教科書』についてお話をお聞きしました。

 

西村さん:

複業系の本がいろいろ出ていますが、10年で100万部売れるような、複業を切り口にした人生の教科書にしたいということも言っていて、10年後、僕の子供が二十歳になったときに働くことに考えるために読む本、を作ろうと思っていて。

なぜ複業するのか、複業するとどんな風になれるのかっていう複業のマインドの話から、ゼロから複業始めたいときにどんなステップで複業始めたらいいのか、みたいなところまで。how toじゃなくてwhy to。是非楽しみにして頂けたらなと思います。

 

関連記事

 一覧へ戻る