「マーケティング」を知ったかぶりしていたシステムエンジニア社長の新規事業立ち上げ奮闘記②

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株式会社エッグシステム代表取締役の高橋翼です。

コラム連載2回目です。
本コラムでは、約4ヶ月間を使った新規事業立ち上げの全プロセスを通して、「新規事業立ち上げで大事なこと」と「マーケティングで大事なこと」について、数回にわたり書き記します

 

※前回までの簡単なあらすじ

スタートアップが失敗する2つの原因(①経営者マインドになっていない、②考えるべきことを考えられていない)に対してきちんと対策を打つために、当事者意識を持って取り組み、戦略的に事業をゼロから作ることを決めました。

「まず最初に、自分がどういう世界を実現したいのか、またなぜそれをやりたいのか、整理しましょう」
先生(新規事業立ち上げのプロ)からこう言われて、本格的に事業立ち上げのプロセスがスタートしました。

 

第2章 なぜ?なぜ?なぜあなたがその事業に取り組むのか?

本編へ入る前に、少しだけ個人的な話しへ脱線します。

僕は会社をつくるときからやりたいことがありました。それは、中小零細企業の売上を上げるための支援を行うことです。

今までは、

  • Webシステム開発
  • 基幹システムの導入コンサルティング
  • バックヤードの業務改善コンサルティング
  • プロジェクトマネジメント
  • システム監査

など中心に行っていたので、あとは売上を上げる支援まで出来るようになれば、お客様の会社全体を、攻めのIT(売上向上)と守りのIT(コスト削除)によって支援できるからです。

また「未だ見ぬ1万人よりも目の前の10人が大事」という考えを持っているので、大企業ではなく、自分の周りで本当に困っている中小零細企業の支援がしたい。そう思っていました。
(この考えは今でも変わらず)

 

顧客は何に悩んでいるのか?

こうした想いをもとに、事業計画を作ってみました。

「世の中の99%を占める中小企業をITによって支援する」

「システムを活用して、、、なんとかかんとか、、、」

今見ると、ツッコミどころ満載の抽象的な事業計画(と言えないレベルのもの)が出来上がりました。

この段階で先生からは2つ指摘されました。

先生:
顧客は何に悩んでるの?
あと、なぜエッグシステムがこの事業をやるの?

高橋:
えーと、顧客はITを十分に活用できない悩みや売上が上がらないという悩みを抱えています。
そして僕は、困っている中小零細企業に対して支援がしたいのです。
中小企業を相手に仕事をした経験があるので、困っていることを実感しています。

先生:
……。
顧客の悩みがクリアになっていないな。ITを十分に活用できていないことが本当の悩みなの?深掘りが足りないね。そして「なぜ高橋さんがやるのか?」もよく分からないな…。

高橋:
……。

先生:
「誰の何を解決したいのか」また「なぜやるのか」この2つをもう少し考えましょう。
それと、成功する事業のポイントは、『「Will」「Can」「Must」が重なるところ』だよ。
例えば、顧客の悩みを深掘りすると「Must」が何か分かってくる。だから、この3つを整理して改めて考え直してみて。

 

先生の指摘を受けて深掘りして考えることにしました。

が、思考停止に陥ります……。

 

そもそも僕は何がしたいのか

「今までは、中小零細企業を支援したいという漠然とした思いが強かったけど、具体的には何がしたいんだっけ?」
「そもそも本当にやりたいことってなんだっけ?」
「全て他人ごとの課題になっている…ていうか、そもそも自分ごとの課題って一体何なんだ…?」

そもそも論に頭を悩ませてしまい、深掘りが全く進みません。

そして、いろいろ考えた結果、
「自分ごとの課題=自分の今までの経験からしか生まれない」
という、高校生でも分かるごくごく当たり前のことに気付いた自称意識高い系エンジニア社長は、改めて自己分析を行うことにしました。

 

自己体験を振り返る

転職をしたとき以来、改めて自己分析をして、過去の自己体験を振り返りました。

事業は原体験からしか出てこない。
今でこそ、本当にそう思います。

と、ここで上手くいく流れになると思いきや、想い先行型の男、高橋翼はこんなことでは上手くいきません。

 

「小売業や店舗を持っている事業者を支援したい!!」

実際にそういった事業者の方と一緒に仕事をした経験があり、眼の前で困っている姿を見てきたという原体験がありました。そして、小売業や店舗型ビジネスを行う事業者の廃業率は高く、事実として困っている人が多いからです。

事業アイデアはたくさんある!

そう思って事業アイデアを書き出しました。

 

当時書き出した事業アイデア

1.SNS更新代行
ホームページを制作した上で、広告宣伝費を極力かけずに宣伝するためにSNSを活用して集客の支援を行う。

2.情報システム部門のアウトソース
企画から開発まで行う情報システム部門のアウトソース部隊をつくる。

3.モノを売らないECサイト
人手不足に悩む店舗が多いので、例えば1時間1,000円で人の労働力を店舗へ販売するECサイト。

4.超スピード重視、1週間でつくるECサイト
流行り廃りが激しい小売業界なので、時代の流れについていけるよう、とにかく早くつくって、運用しながら改善していくECサイト。

 

※余談ですが、3のアイデアに似ているサービスで飲食店とアルバイトをマッチングするサービスが、先日数億円の資金調達に成功していました…。

 

高橋:
……ということで、こういったサービスによって、小売業や店舗を持っている事業者を支援したいと思ってます!(自信満々)

先生:
なるほど……。では、Canの領域は?本当にできるの?

高橋:
(若干の勉強は必要だけど)基本的にはできると思っています。

先生:
では、なぜこの事業は高橋さんじゃないといけないんですか?
ECサイトを構築できる会社はたくさんあると思いますけど、なぜ高橋さんなの?

高橋:
なぜ僕じゃないといけないか、、、
え、えーと、僕には、げ、原体験があって…。

先生:
やっぱり、なぜ高橋さんじゃないといけないのか、まだ分からないな。
他の人がこの事業をやればいいんじゃないかな。

高橋:
……。(撃沈)

 

 

新規事業立ち上げにおいて大事なこと

新規事業や新規サービスを始めるにあたって、僕と同じことをやってしまう人がものすごく多いです。

整理すると、大きくは以下の2点です。

  • 顧客の悩み(課題)に対する深掘りができていない
     例)悩みは集客できないこと、以上みたいな
  • なぜあなたがこの事業をやるのか?に明確な回答ができない
     例)ニーズがあるから、上手くいきそうだから、という理由で始めようとしてしまう

僕が考えたアイデア自体は、もしかしたら悪くなかったのかもしれません。
しかし、なぜ僕がやるのか?という熱い想いがのっていないので、僕がやっても上手くいかなかった可能性が高いと言えます。

 

ここで改めて原体験を整理して、何がなんでも自分がやらなきゃダメだ、という事業を整理することにしました。

そこで整理された原体験が3つありました。

 

1.IT未経験の方がIT担当を行う現実

前職のシステムコンサルティング会社で初めて担当した中小企業のお客様にて、IT担当者がIT未経験でとても苦労していたこと。転職する前は大企業の仕事だけをやっていたので、IT未経験でIT担当なんて……と当時は衝撃を受けました。

 

2.サロン業界で疲弊する現場

サロン業界のお客様と仕事をしたとき、施術以外のこと(予約業務、日報報告、レジ締めなどの間接業務)にものすごく時間がかかっていて、現場スタッフが疲弊していたこと。ITを使って業務改善すればもっと楽になるのに……と思いました。

 

3.オーナーの力になれなかった自分

ホームページ制作をお手伝いさせて頂いたサロンオーナーさんからの一言に答えられなかった自分の不甲斐なさ。

オーナーさん:
システムを使っていろいろ出来ることは分かりました。でも、高橋さん、結局どうやったら売上が上がるんですか?

高橋:
え、えーと……

当時、サロン業界でリスクをとって独立して頑張るオーナーさんの力になれませんでした。

 

 

具体的な原体験から、ようやく方向性が見えてきました。

まとめ

『解決したい課題は何ですか?』

『なぜあなたがやるのですか?』

新規事業において大事なことはたくさんありますが、まずはこの2点の質問に対して明確に答えることができない事業は上手くいかない可能性が高いです。

僕もようやく方向性が見えてきましたが、実はここで「ターゲットを決める」という重要なプロセスを踏んでいます。

具体的には……次回お伝えいたします。

 

to be continued…

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