コラム
IPA「DX動向2025」を読み解く② ー2025年を振り返ってー
2026年の今、中小企業の現場から見えた日本企業DXの“本当の結果
2025年6月、IPA(情報処理推進機構)は「DX動向2025」というレポートを公表しました。
「DX動向2025」日米独比較で探る成果創出の方向性「内向き・部分最適」から「外向き・全体最適」へ
https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/dx-trend/dx-trend-2025.html
前回のコラムでも要約して解説させていただいたとおり、このレポートでは、日本企業の多くがDXに取り組み始めている一方で、成果創出には依然として課題が残ることが示されていました。
そして今2026年になり、私たちはすでに「2025年」という節目を通過しました。では、あのレポートで語られていたDXは、実際のところどうだったのでしょうか。
本コラムでは、DX動向2025を振り返りつつ、中小企業の現場に入り続けてきた立場から見えた“現実”と、これから本当に向き合うべき論点を整理します。
DX動向2025は「当たっているが、前提に乖離があった」
まず結論です。
DX動向2025の内容自体は、間違っていません。
ただし、前提となっている企業像が、中小企業の実態とは少しズレているように感じました。これが2026年時点での率直な実感です。
レポートでは、
- DXに取り組む企業は増えている
- デジタルツールの導入が進んでいる
- 「何もしていない」企業は少数派になりつつある
といった傾向が示されていました。
これらは、一部の企業では確かにその通りです。しかし、中小企業の現場を広く見渡すと、こう言い切るにはまだ早いと感じています。
2025年、日本企業のDXは“本当に進んだ”のか
率直に言えば、「DXが進んだ企業」と「ほとんど変わっていない企業」の二極化が、2025年で一気に進んだ、というのが実態です。
中小企業の現場では、今なお次のような状況が珍しくありません。
- 紙とExcelを中心に業務が回っている
- 業務の属人化が解消されていない
- ITツール導入の検討が「コストの話」で止まっている
「DXに取り組まれていますか?」と聞いても、「やらなければいけないとは思っているが、まだ手を付けられていない」という回答は、2026年になっても決して少なくありません。
つまり、業務効率化ですら、十分に進んでいない企業がまだ多数派・・・これが中小企業のリアルです。
それでもDXが進まなかった“本当の理由”
これは中小企業の意識が低いから、という話ではありません。構造的な理由があります。
① IT投資が「コスト」としてしか見られていない
中小企業では今なお、
- IT=お金がかかるもの
- 効果が分かりにくいもの
- 失敗したら取り返しがつかないもの
という認識が根強く残っています。
その結果、
- まずは目の前の業務を人手で回す
- 忙しさが落ち着いたら考える
- できる人がいないから後回し
という判断が積み重なり、気づいたら何年も何も変わっていないという状況が生まれます。
② 「DX=何かすごいこと」という誤解
DXという言葉そのものが、中小企業にとってハードルになっています。
- AIを使わないといけない
- 大規模なシステム刷新が必要
- 専門人材を雇わないと無理
こうしたイメージが先行し、本来の入口である業務効率化すら始められていないケースが多く見られます。
③ 経営と現場の距離が縮まらない
中小企業では、DXが「IT担当者」や「詳しい社員」に丸投げされがちです。
- 経営者は方向性だけ語る
- 現場は日々の業務で精一杯
- ITは“分かる人任せ”
この状態では、DXは検討段階から先に進みません。
それでも2025年に、一歩前に進んだ中小企業もある
一方で、派手なDXではなくても、着実に会社が良くなった中小企業も存在します。
そうした企業に共通していたのは、次の3点です。
- DXを「業務改善の延長」として捉えていた
- 小さく始め、確実に使い切っていた
- 経営者自身が“分からないなりに”関わっていた
特別なIT投資をしていたわけではありません。違いは、「完璧を求めず、止まらなかった」ことです。
2026年、ようやく本当のスタートラインに立った
2026年の今、中小企業にとってのDXは、ようやくこう言える段階に来ました。
- DXをやるかどうか、ではない
- まずは業務効率化を、現実的に進められるかどうか
DX動向2025が描いていた「成果創出」の前に、やるべき基礎体力づくりが、まだ終わっていない企業が多い。これが正直なところです。
DXは「魔法」ではなく、経営の体力づくり
DX動向2025による、効果はさておきDX自体は進んでいるという実態調査について、中小企業にとっては「一段先の話だった企業が多かった」というのが2025年を終えた実感です。
DXは派手な変革ではありません。
地味で、時間がかかり、現場の業務に深く入り込む取り組みです。
だからこそ私たちは、「システムのかかりつけ医」として、
・まずは業務を一緒に整理する
・無理のないIT投資を考える
・システムを導入して終わりにせず、使い切るところまで伴走する
という支援を続けています。
2026年は、「DXに挑戦できる会社」と「何も変えられない会社」の差が、さらに開く年になります。
今必要なのは、流行語としてのDX・AIではなく、現場から一歩ずつ積み上げる、等身大のデジタル化ではないかと考えています。
サービス紹介「ITプロシェアサービス」
売上拡大・利益率向上を目的としてITシステムを活用するために、システム化の企画から開発・運用まで徹底的にベンチャー・中小企業様へ寄り添って対応します。
DX推進に向けた伴走支援
私たちは「システムのかかりつけ医」として、問診し、検査し、処方を一緒に考え、日々の変化に合わせて調整します。
「まずは現場業務の見える化から」
「現場が納得する説明づくりを手伝ってほしい」
どの入口からでもお気軽にご相談ください。
今より少しでも良くする一歩を、私たちは伴走して形にしてまいります。