コラム
【解説】IT導入補助金について(コロナウィルス対策の特別公募あり)
新型コロナウィルス対策として、様々な助成金・補助金の制度ができています。
その中でも今回は『IT導入補助金』について解説いたします。
IT導入補助金は、元々からあった制度ですが、コロナウィルス対策として特別枠が新設されていますので、過去の内容との違いを中心にご説明します。
これまでの申請枠との違いについて
旧来の申請枠
◯A類型
・補助率:1/2
・補助金額:30万〜150万円未満
・補助対象:ソフトウェア購入費用、ソフトウェア導入に関するオプションや役務費用
◯B類型
・補助率:1/2
・補助金額:150万〜450万円未満
・補助対象:ソフトウェア購入費用、ソフトウェア導入に関するオプションや役務費用
新たに開設された申請枠
◯C類型
・補助率:2/3
・補助金額:30万〜450万円未満
・補助対象:ソフトウェア購入費用、ソフトウェア導入に関するオプションや役務費用、ソフトウェアの利用に必要なハードウェアの購入およびレンタル費用、ハードウェア導入に関するオプションや役務費用
新設された「C類型」における留意事項
既に登録済のIT導入支援事業者(システム導入ベンダー)のみが対象
今回新設された「C類型」においては、既にIT導入支援事業者として登録されている会社しか申請をすることができません。つまり、昨年度のIT導入補助金でIT導入支援事業者として登録されたシステム導入ベンダーのみとなります。
交付決定前にITツール導入が可能
既に事務局に登録されているITツールを導入する場合、従来どおりに「申請→交付決定→ITツール導入」という流れになります。
しかし、この流れだとITツール導入までに1ヶ月以上の期間がかかってしまいます。そこで、コロナウィルス対策として可及的速やかにITツールを導入しなければならないケースへの対応として、遡及申請(さかのぼり申請)が可能となっています。
遡及申請を使うケースは「早急にITツールを導入したい場合」または「まだ登録されていないITツールを導入したい場合」の2つです。
「まだ登録されていないITツールを導入したい場合」とは?
今回新設されたC類型では「ソフトウェアの利用に必要なハードウェアの購入およびレンタル費用、ハードウェア導入に関するオプションや役務費用」が補助対象経費として追加になっています。しかし、ハードウェアに関してはこれまで対象経費ではなかったため、ITツールとして登録もされていません。
そのため、ハードウェアを申請したい場合は、IT導入支援事業者側でITツールの登録も必要となるのですが、現在はITツールの事前登録を受け付けていないのです。
よって、遡及申請を使って後からITツールの登録を行うことになります。
遡及申請について
『2020年4月7日〜2020年5月10日』の期間中にITツールを導入すれば、後追いで申請をすることが可能です。
交付決定前にITツールを導入した場合交付決定が確約されない
ITツールを先行して導入できることは良いのですが、注意しなければならないことは、後追いで申請したからといって必ずしも交付されるとは限らない、という点です。
こういった状況ですから、例えば新型コロナウィルス対策としてリモートワークを推進するための施策ということであれば交付決定される可能性は高くなると考えられます。しかし、確約されるわけではないので、その点を認識した上で申請・導入を検討する必要があります。
「新型コロナウィルス対策として効果的なツールが導入されているか」という審査項目が追加
交付申請時の審査項目に「新型コロナウィルス感染症における事業への影響とその対策について効果的なツールが導入されているか」という項目が追加されました。
具体的には、
・リモートワークができる環境を整備するためにハードウェアを導入する
・店舗の営業停止に伴い、オンラインでの販売を開始するためにECサイトを導入する
といった内容であれば交付される可能性が上がるということです。
詳細はIT導入補助金の公式サイトをご参照ください。
最後に
上記事項をご理解いただいた上で、IT導入補助金を使うかどうかご検討頂ければと思います。
少しでも利用する可能性があれば、申請準備として「履歴事項全部証明書の取得(法人の場合)」「納税証明書の取得(法人の場合)」「gBizIDプライムアカウントの取得(※)」を進めることをオススメいたします。
※gBizIDとは
gBizIDは、1つのID・パスワードで様々な行政サービスにログインできるサービスです。