Case study

株式会社ラ・コロール様|業務の可視化とkintone活用によりデータの見える化と業務改善を実現

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株式会社ラ・コロール様は、1978年に設立されたアパレルOEM企業です。ニット製品を中心に取り扱い、トレンドに合わせたデザインや素材を提案。国内外の多くの協力工場と連携し、多様なニーズに応じた柔軟な生産体制を構築されています。

エッグシステムは、ITプロシェアサービスを提供し、DX化に向けた業務改善を行いました。

 

[お話を伺った方]
株式会社ラ・コロール 代表取締役 殿本英希様
(インタビューアー:株式会社エッグシステム・高橋翼)

アパレル業界のデジタル化の遅れと課題

高橋:
まず、今回のプロジェクトを進める前に、どのような課題を感じておられましたか?

 

殿本様:
当社はアパレル業界の企業ですが、この業界は華やかなイメージとは裏腹に、昔ながらの業務フローや体質が色濃く残っています。特にデジタル化については、大企業では比較的進んでいるものの、中小企業では一部のEC運営企業やスタートアップを除き、ほとんど進んでいないように思います。

 

例えば、いまだに紙の専用伝票を手書きで作成する企業があったり、取引先の専用システムにログインして業務を行う必要があるなど、非効率な業務が数多く存在します。

 

私が社長に就任して以降、デジタル化の必要性を感じ、まずはクラウド型のグループウェアや会計システム、販売管理システムの導入、クラウドストレージ(GoogleDrive)の導入などを行い、リモート環境を整備し一定の成果を上げました。

しかし、営業や企画担当の業務にはほとんど手をつけられておらず、業務の個別性が強いため、標準化やデータ活用ができていない点が大きな課題でした。

例えば、営業と企画のメンバーは2人1組で顧客対応を行うため、それぞれが異なる方法で業務を進めるケースが多く、業務の属人化が進んでいました。また、各チームで管理しているデータの形式がバラバラで、一元管理が難しく、情報の集約や分析に時間がかかっていたのです。これらの問題を解決し、より戦略的な意思決定を行えるようにするために、システム導入を検討しました。

 

高橋:
そのような状況の中で、弊社にご相談いただいたきっかけや背景について教えていただけますか?

 

殿本様:
業務の標準化やデータ活用の必要性は感じていましたが、社内だけで取り組むには限界がありました。特に、業務フローの可視化には第三者の視点が必要だと考えました。

私自身、業界に入って4〜5年が経ち、客観的な視点で業務を見られなくなっていると感じていました。そこで、外部の専門家の力を借りることで、改善点をより明確にできると考えました。

また、業務プロセスをドキュメント化し、組織としての業務の標準化を確立したいとも考えていましたが、この作業を社内で一人で進めるのは難しい状況でした。そこで、高橋さんにご相談しました。

 

高橋:
実際に支援を依頼する際、他の選択肢もあったかと思いますが、なぜ弊社を選んでいただいたのでしょうか?

 

殿本様:
正直なところ、御社以外には声をかけていませんでした。会社の規模や知名度よりも、「誰がやってくれるか」が重要だからです。高橋さんとは以前プロジェクトでご一緒した機会があったので、コスト面も考慮しながら、信頼できる方にお願いしたいという思いがありました。

 

高橋:
ありがとうございます。

 

データの見える化と業務効率の向上を実現

高橋:
実際にプロジェクトを進めてみて、どのような効果を感じていますか?

 

殿本様:
プロセス面で言うと、社員が自身の業務を外部の方に説明する場が生まれたことで、業務を客観視する良い機会になりました。

業務改善やシステム導入のプロジェクトでは、プロジェクトマネージャーやIT担当者が主導し、現場の意見が取り入れられないことが多々あります。しかし、今回は現場の意見を巻き込みながら進められたことが非常に良かったと感じています。

結果面では、業務フローが可視化されたことが大きな成果です。

さらに、「kintone」の導入によりデータの見える化が進み、業務の効率が大幅に向上しました。特に、私自身が分析にかける時間が短縮され、業務をスムーズに進められるようになりました。

 

高橋:
実際の運用面では、現場の方々の反応はいかがでしょうか?

 

殿本様:
最初は半ば強制的に移行しましたが、結果的に全員が「kintone」を使うようになり、毎週データが更新されるようになりました。入力の精度に多少のバラつきはありますが、全員がシステムを活用しているのは大きな進歩です。

私の方でもkintoneのデータが登録・更新されているかどうかを確認し、運用のチェックを行っていました。入力精度のバラツキはあっても、全くシステムを触っていないという人はいないので、まずはそれでも良いと思っています。

 

高橋:
元々使われていた管理表をやめて切り替えられたのは大きいと思います。
データの登録状況を確認することも重要ですね。

 

殿本様:
あとは、導入後も毎週定例会を設け、利用状況を確認しながら運用の改善を続けています。最初は問い合わせも多かったですが、今は一段落して運用が安定してきました。

 

高橋:
今後、ラコロール様としてどのような展開を考えていますか?

 

殿本様:
「kintone」は導入して終わりではなく、今後も進化させていきたいと考えています。社員が自ら改善やカスタマイズを行い、業務の効率をさらに高められるような仕組みを目指しています。

また、IT全般の業務効率向上に取り組みたいと考えています。特に、生成AIの活用についても関心がありますが、実用化のタイミングを見極めながら進めていきたいです。

 

さらに、経理業務の外注化も検討しており、電子帳簿保存法の活用や、請求書の完全電子化などを進めたいと考えています。最終的には、企業間取引を完全に電子化し、紙のやり取りをゼロにすることを目指したいです。

 

ドキュメント作成の丁寧さと「すぐ返事がくる」迅速な対応には助けられた

高橋:
今回のプロジェクトを経て、弊社のサービスについてどのような印象を持たれましたか?

 

殿本様:
まず、ドキュメント作成の丁寧さが際立っていました。これは高橋さんの経験やスキルによる部分も大きいと思いますが、いつも細部まで配慮されたドキュメントを作成してもらい、非常に助かりました。加えて、システム導入後のフォローの迅速さもとても良かったと感じています。

 

一般的にシステム導入は、開発や導入時点での対応が重視されがちですが、本当に重要なのは運用が始まってからのフォローです。導入後、さまざまな課題が出てきた際に、スピード感を持って対応してくれたのは非常に心強かったです。エッグシステムのサポート品質がこの水準で維持されるなら、十分に推奨できる会社だと感じました

 

高橋:
ありがとうございます。実際の対応スピードについて、どのような印象を持たれましたか?

 

殿本様:
どの企業でも最低2営業日、早くても1営業日はかかる対応が一般的ですが、御社は「すぐ返事がくる」という印象がありました。特に、中小企業では「今すぐ知りたい」という場面が多く、2営業日後に回答があっても、すでに処理が完了していることもあるため、素早いレスポンスはとても助かります。

実際に問い合わせをした際、短時間で的確な回答が得られたのは大きな安心感につながりました。小谷さんの迅速な対応には特に助けられましたね。社内でも「もう返事が来たのか!」という驚きの声が上がるほどでした。

 

 

導入がゴールではなく、運用後の継続的なサポートが重要

高橋:
システム導入後の継続的な改善について、どのように感じられていますか?

 

殿本様:
一度決めた仕様を何年も変更しないシステムではなく、都度調整しながら運用できるのが理想的です。その点で、御社は柔軟に対応してくれて、システムをより実用的なものにしてくれました。

また、単にベンダーがシステムを提供するのではなく、実際の業務フローを理解した上での改善提案があったのが良かったですね。独立系のITコンサルティング会社ということもあり、特定のソリューションに縛られず、柔軟な提案ができるのは大きな強みだと思います。

 

プロジェクト全体を通じて、「導入がゴールではなく、運用後の継続的なサポートが重要」という姿勢が徹底されていると感じました。これからの時代、システムは一度構築すれば終わりではなく、継続的な最適化が必要になります。その点で、御社のアプローチはとても有用だと感じました。

 


・社名
株式会社ラ・コロール

 

・設立
1978年7月

 

・従業員数
14名

 

・事業内容
レディース・メンズ向けアパレルのOEM・ODM・卸売

 

・生産拠点数
国内7カ所、韓国3カ所、中国12カ所、その他

 

・会社URL
https://www.lacorolle.com/