【解説】厚生労働省のガイドラインから読み解く『テレワーク導入時の留意事項』

2020/05/23 Info

新型コロナウィルスによる緊急事態宣言が発令され、1ヶ月以上が経過しました。
既に緊急事態宣言が解除された都道府県もありますが(2020年5月23日時点)、「今回を機に今後も週に何日かはリモートワークを推奨する」「新型コロナウィルスの第二波が発生するリスク対策として本格的にリモートワークを導入する」といった企業も増えているのではないかと思います。
 
一方で、4月から5月にかけて急遽リモートワークを導入したため、制度や仕組みなどがきちんと整っていない企業も多いのではないかと思います。緊急事態宣言解除後、アフターコロナという時代において、本格的にリモートワークを導入することを考えたときに、「どのようなことに気をつければよいのか」「セキュリティ対策を十分に行うにはどうしたらよいか」といった課題に直面されている企業も多いのではないでしょうか。
 
そこで、本コラムでは総務省や厚生労働省が公表しているガイドラインの内容をまとめ、数回にわたって解説させて頂きます。自社のテレワーク導入に際して、ご参考にして頂ければと思います。
 
今回は厚生労働省が公表しているガイドラインの内容を解説します。

出典:厚生労働省「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン

 
 

労働基準関連法令における留意点

 
テレワークを行う労働者に関しても、労働基準関係法令が適用されます。
そこで留意すべきは「労働時間」です。テレワークを行う労働者に対して適切な労働時間管理を行う責務があります。

在宅勤務により発生しがちな事象は「長時間労働」です。いつでも仕事ができる環境にあるため、仕事量が多い人はついつい長く仕事をしてしまう傾向にあります。厚生労働省が推奨する長時間労働対策は以下のとおりです。
 

長時間労働対策

 
(1)メール(チャット)送付の抑制
上司から時間外、休日または深夜に連絡をしないこと。
 
(2)システムへのアクセス制限
深夜や休日は外部から社内システムへアクセスできないように設定すること。
 
(3)時間外・休日・深夜労働の原則禁止
会社のルールとして時間外・休日・深夜労働を原則禁止と明確にする。
 
(4)長時間労働を行う労働者への注意喚起
長時間労働が生じるおそれのある労働者や、既に生じている労働者に対して、労働時間の記録や勤怠管理システムを活用した注意喚起を行うこと。
 
 

テレワークで気になること


テレワークにおいて気になる点をいくつかピックアップして解説します。こちらも厚生労働省のガイドラインに明記されている内容です。
 

◯ テレワークにおける災害は労災保険の対象になるのか?


テレワークにおける災害は業務上の災害として、労災保険給付の対象になります。ただし、私的な行為などの業務以外が原因であるものは対象外となります。
 

◯ 通信費用などテレワークに要する費用負担はどうなるのか?


通常の勤務と異なり、特に通信費用(WiFiなどのネットワーク使用料)は労働者が負担を負うことがあり得ます。労働者が負担するか会社側が負担するかは、事前の協議によって定めることになっています。その際、会社側が負担する場合における限度額や、労働者が請求する場合の請求方法なども定めておく必要があります。
なお、労働基準法より「労働者に費用負担をさせる場合は、就業規則に規定しなければならない」とされています。
 

◯ テレワーク勤務時も休憩時間が必要か?


「仕事中に手を休めているかもしれないし、ちょっとした家事をしているかもしれないので、休憩を与えているものとみなしてもよいのではないか?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、これはNGです。
例えテレワークであっても、1日の労働時間が6時間を超える場合は45分以上、労働者が8時間を超える場合は60分以上の休憩を与えなければなりません。業務から離脱しやすい環境にいることと、休憩を与えることは異なります。
 
 

テレワーク総合ポータルサイト

 

テレワーク総合ポータルサイト

 
ガイドラインだけでなく、厚生労働省が運営している「テレワーク総合ポータルサイト ( https://telework.mhlw.go.jp/ )」に分かりやすく、テレワークに関する情報がまとめられていますので、ご参考までにご覧頂くと導入を推進しやすいと思います。

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