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ガバナンスとは? コーポレートガバナンスの概要や派生概念について

ガバナンスとは? コーポレートガバナンスの概要や派生概念について

企業を上場させるにあたって重要になるのが「ガバナンス」や「コンプライアンス」です。言葉は知っているものの、しっかり中身まで理解しているという方は少ないのではないでしょうか。

最近では、ガバナンスに派生した概念も登場しています。そこで当記事では、企業の統制を整えるガバナンスについて徹底解説していきます。言葉の定義があいまいだった人は、今回を機にあらためて見直してみてはいかがでしょうか。
 
 

ガバナンスとは?

ガバナンスとは? コーポレートガバナンスの概要や派生概念について

ガバナンスとは、コーポレートガバナンスのことで日本語訳をすると「企業統治」という意味になります。つまり、ガバナンスは企業を管理するために必要なものです。

株式会社東京証券取引所が公表しているコーポレートガバナンス・コードの資料内では、コーポレートガバナンスを以下のように定義しています。



「コーポレートガバナンス」とは、会社が、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等の立場を踏まえた上で、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みを意味する。
出典:コーポレートガバナンス・コード(2018年6月版)


上記の定義だと少々難しいので、 以下の4つに分けて意味を解説します。

・株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等の立場を踏まえる
・透明・公正
・迅速・果断な意思決定
・ガバナンスの仕組み
 

ガバナンスでは株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等の立場を踏まえる必要がある


1つ目は、「株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等の立場を踏まえる」という点です。株式会社というのは所有と経営が分離しています。所有者が株主で、経営を委託されているのが経営者ということです。しかし、会社が成長するためには株主だけではなく、従業員や地域社会といったステークホルダーの幸せも叶えていかなければならないのです。ガバナンスでは、こうしたさまざまなステークホルダーの立場に立つのが重要になります。
  

ガバナンスにおいては透明かつ公正でなければならない


2つ目は、「透明・公正」という部分です。企業は、私利私欲の経営をせずに公正でなければならないということです。また、中身が見えない不透明な経営というのもしてはいけません。
 

ガバナンスでは意思決定が重要


3つ目は、「迅速・果断な意思決定」という部分です。企業は、何もせずにじっとしているのはダメだということです。例えば、リスクをとってリスクに見合うリターンが得られると判断したら突き進む意思決定をする必要があります。ガバナンスでは、何もせずに経営者の時代を終えてはならないのです。
 

ガバナンスの仕組み作りが大切


4つ目は、「仕組み」の部分です。企業は、経営を持続的に成長していくためにも、経営者が不正を働かず、経営に対しても真剣に取り組み怠けない仕組みを構築する必要があります。ガバナンスは、経営者を規律づけるためにも必要なものだと言えるでしょう。
 

コンプライアンスとガバナンスの違い


ガバナンスはあくまでも手段で、コンプライアンスが目的の一つというのが大きな違いです。つまり、ガバナンスの仕組みを構築することで、コンプライアンスが高まっていくという関係性になっています。

そもそもコンプライアンスとは、一般的に「法令遵守」という意味で使われています。企業が活動していく上で、法律を守るのは非常に重要です。また、法律を守るだけではなく、社会的な倫理に反していないかという点も含めてコンプライアンスといえます。

例えば、法律ではカバーできないような「グレーゾーン」と呼ばれる領域があったとしましょう。「グレーゾーンは法律に違反していないから大丈夫だ」というわけではなく、倫理的におかしいことをやらないというのがコンプライアンスの本質的な意味です。

要するに、コンプライアンスというのは守るべき目的を掲げたもので、コンプライアンスを守るために必要な仕組みがガバナンスということです。
 
 

ガバナンスが必要な理由

ガバナンスが必要な理由

ガバナンスが必要とされる背景には、株式会社制度の2つの特徴があります。

・経営者と株主の分離
・株主の有限責任
 

経営者と株主の分離


1つ目の特徴は、「経営者と株主の分離」です。

投資家は資金力がある一方で経営手腕がありません。逆に、経営者は会社運営をするためにも資金を必要としています。

そこで、投資家は株式によって会社を保有し、経営を優秀な経営者に任せるのです。このように、会社を保有する株主と経営をする経営者に分離しているのが株式会社制度の特徴になります。
 

株主の有限責任


2つ目の特徴は、「株主の有限責任」です。

有限責任とは、投資家が投資した金額以上の損害を被ることがないように保障されているものになります。保障によって、会社の経営の詳細を知らなくても安心して投資できます。

以上の特徴があることから、経営者は株主の期待に応えなければならないのです。株主の期待に応える経営をするためにも、ガバナンスによって企業統制を図っているというわけです。
 
 

ガバナンスを強化する方法

ガバナンスを強化する方法

ガバナンスは一度決めたら終わりではなく、会社の状況を常に考えながら強化していく必要があります。

強化する方法としては、大きく以下の3つがあります。

・客観的な立場からの監視体制を作る
・従業員レベルまで浸透させる
・内部統制の強化
 

監視体制の強化


1つ目は、社外取締役や社外監査役といった社外の人間による監視体制を作ることです。社内の人間だけで経営を進めていくと、一部の経営陣や社員による不正があったり、不透明なルールなどが見えにくくなってしまいます。

そこで、社外の人間によって客観的に評価することで、今まで見えていなかった新しい視点で物事を見直せるのです。
 

社員へガバナンスの考えを浸透させる


2つ目は、株主や経営陣だけではなく、社員にもガバナンスの考えを浸透させることです。経営陣だけがガバナンスを守ったとしても、社員が守らなければ結果的にコーポレートガバナンスとはいえません。そのため、まずはガバナンスという存在を知ってもらうことに力を注ぐべきです。

浸透させるにあたっては、社員の意思決定にも使えるようなガバナンスを制定し、社員全員が統制をはかれるものにしておくのが理想的だといえます。
 

内部統制の強化


3つ目は、内部統制の強化です。なんといっても社内のことは社内の人間がきちんと把握して遂行していくべきです。そのため、社内で作成したコンプライアンスを守れているのかを監視・指導する体制が重要になります。

体制を整えるにあたり、社内の取締役会や内部監査部門といった各部門の役割を明確化していくことが必要です。
 
 

ガバナンスの派生概念

ガバナンスの派生概念

ここまでガバナンスについて解説してきましたが、最近では派生した概念が生まれています。それぞれの概念について説明します。
 

ITガバナンス


1つ目は「ITガバナンス」です。ITガバナンスとは、企業が経営をおこなうために必要なIT戦略のことです。昨今、企業の発展にはIT戦略が必須となっています。例えば、企業の売り上げを伸ばすためにクーポンを導入したり、オンラインセールを開催したり、新しいサービスを運用したりなどさまざまなIT戦略があります。

こうしたIT戦略を効率的かつ安全に運営していくためにも、企業ごとにITガバナンスを作成して運用していく必要があるのです。
 
※参考記事:ITガバナンスとは?
 

ウェブガバナンス


2つ目は「ウェブガバナンス」です。ウェブガバナンスとは、企業のホームページやウェブサイトを一定のルールにしたがって効率的に運用し、ユーザー体験を提供する仕組みです。

最近では、集客という部分から多くの企業で自社ホームページが運営されています。ホームページ内では、企業のロゴやデザインというのは統一されているはずです。統一されたサイトをユーザーに提供することで、企業のコンセプトを明確に伝えられるため、ユーザー満足度を高く保てます。

ここまでガバナンスについて解説してきましたが、最近では派生した概念が生まれています。それぞれの概念について説明します。
 

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※参考記事:ITガバナンスとは?
 

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内部統制・IT統制の事例紹介

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