株式会社ウッドプラスチックテクノロジー様は、ウッドプラスチック製パレットの製造・販売等の事業を展開され、主製品である樹脂製敷板の「Wボード」は2014年発売後、国土交通省のNETIS-VEに登録され、累計販売枚数20万枚を突破されています。(2024年時点)
エッグシステムは、ITプロシェアサービスを提供し、DX化に向けた業務改善を行いました。
[お話を伺った方]
株式会社ウッドプラスチックテクノロジー 代表取締役 中山東太様
(インタビューアー:株式会社エッグシステム・高橋翼)
システム導入に挫折した過去があり、外部からの支援が必要だと感じた
高橋:
まずはじめに、弊社で構築させていただいたシステムの運用状況はいかがでしょうか?
中山様:
たまにエラーは出ますが、問題なく使えています。
新規取引先の場合は事前にスプレッドシートの顧客マスターへ登録しなければいけないですが、それを忘れてしまい受注登録しようとしてエラーが出るというくらいですかね。
高橋:
大きなエラーなどは起きておらず、良かったです。
では改めまして、まず今回は鳥取県のDX伴走型支援事業を利用されたところがスタートでしたが、元々中山さんは受発注業務に関して課題感をお持ちだったのでしょうか?
中山様:
そうですね。2年ぐらい前から、FAXで受けた注文をboard(基幹システム)へ登録するのと、出荷指示書のExcelを作成しているのが無駄で、どうにかしたいと考えていました。いくつかシステムを検討して、無料トライアルを試したんですが、初めの初期設定で挫折してしまいました。
ほんとにこれでいいのかな…と確信を持てずにスタートするので、初期設定の手間がかかり、断念するという…。
高橋:
クラウドサービスを提供されている会社さんの場合、初期設定時にそれほど深く関わってくれるわけではありませんしね。
中山様:
システムを触っていると「やっぱりちょっと違うな」という場面が出てきて、システム会社へ質問するんですが、「そういった機能はありません」と言われてしまい、そこに目をつぶって導入するかどうか悩んだりもしました。
高橋:
その後、鳥取県のDX伴走型支援事業の話がきたということですね。
中山様:
そうですね、今まで挫折した過去があったので、自社だけでやるというよりも、今回のような形で外部からの支援が必要だと感じていました。
社内だけでは進まなかったが、外部支援により期限どおりに対応できた
高橋:
一番最初に中山さんとお話しさせていただいた際の弊社に対する印象としてはいかがでしたか。
中山様:
製品やサービスを持っている会社へ聞いてしまうと、特定の製品やサービスの説明しか聞けないので、その手前のプロセスで現状をチェックするところから入るというご提案は良かったと感じました。
高橋:
ありがとうございます。
挫折はあったものの、これまでは自社内だけで取り組まれていたというお話しでしたが、鳥取県の事業を活用し、弊社が現状分析のプロセスから支援に入らせていただきました。自社だけで進めるときと比べて違いはありましたか?
中山様:
自分達だけでやるのは無理でしょうね。
結局社内だけだと進まないんですよね。社員の誰かがシステムについて勉強して、その内容を私に説明してくれないと進まないので、どうしてもそこで止まってしまいます。
高橋:
そういう意味だと「取り組みを前に進めることができた」という違いがあったんですね。
実際に弊社で支援させていただいて、良かった点は他にどんなことがありますか?
中山様:
期限通りにできたということが一番大きいと思います。期限通りに進まないことの方が多いと思うので…。
対象範囲を絞り、このぐらいならできるだろうという見当がついていたんでしょうか?
高橋:
そうですね。元々中山さんが考えておられた課題感が明確で、特定の課題に絞ってできたということも、期限通りに進めることができた要因の一つでもあります。
中山様:
もっと大掛かりなシステムを導入しようと思うと、ものすごい大変なんでしょうね。
高橋:
そうなんですよね。いろいろな課題へ一気に対応できるような大規模のシステムだと、期限通りに終わらないこともよくあります。
月間600分の業務時間を短縮できた
高橋:
今回構築したシステムを使って、受注・出荷業務はどれぐらい削減されましたか?
中山様:
改善前はboardへ受注登録した後、Excelの出荷依頼書を別で作って外部へ送付していました。boardへ登録する情報とExcelの出荷依頼書へ入力する情報は重複しており、出荷依頼書の作成に時間がかかっていましたが、改善後は入力作業が1回になったので、削減に繋がりましたね。
月600件ほどの受注があり、1件あたり1分は短縮できるようになったので、月間600分は削減できました。
あとは、残業も減っていると思いますね。元々は担当者が忙しくてパンパンだったので…。
それが定時時間内で業務ができるようになったので、効率化できています。属人化した業務になっていましたが他の人でもできるようになり、だいぶ平準化しました。
高橋:
ありがとうございます。
担当者の方々の業務削減を実現できて、よかったです。
担当者毎に異なる運用方法を統一して数値の不一致を解消
高橋:
今回のDXへの取り組みを通じて、苦労した点はありますか。
中山様:
最終的にはできるようになりましたが、システムを触り始めた頃はエラーが見つかっては修正するという繰り返しがあり、テストが難しいと感じました。我々も何がエラーになるか想像がつかなかったので…。
高橋:
テストで何をどこまで確認すればいいのかという点は確かに課題かもしれませんね。
中山様:
本番運用に近い形で実際やってみて初めてわかることも多かったです。
あとは、運用自体を工夫する必要があるとも思いました。
実は、今回作ったスプレッドシートへ受注情報を入力したら、リアルタイムに在庫数が可視化される仕組みにしていただきましたが、はじめは思い通りの在庫数が分からなかったのです。
システムが原因ではなく、担当者毎に運用方法が統一されていないことが原因でした。工場毎に在庫数を更新するタイミングが異なっていたので、想定と異なる在庫数になってしまっていました。在庫数のズレが出ておかしいと思い、各工場の担当者へ聞いたところ、それぞれの更新タイミングや運用方法が異なっていたことがわかり、それからは運用方法を統一して解消できました。
高橋:
システム以外の運用方法やルールに課題が残ってしまう点は、弊社としても今後しっかりとサポートできるようにしておこうと思います。ありがとうございました。
・社名
株式会社ウッドプラスチックテクノロジー
・設立
2008年2月
・従業員数
46名
・事業内容
ウッドプラスチック製パレットの製造・販売
バイオマスの利活用およびバイオマスタウンに関するコンサルティング