コラム
フルリモートで自社サービスを開発しました|DataConvertサービス開発の振り返り
当社では、システム企画から開発・運用まで一貫して対応しており、システムコンサルティングとシステム開発を一緒に行うことから、「コンサルティングエンジニアサービス」(システムコンサルティング+エンジニアリング)と呼んでいます。
サービスの詳細については、コンサルティングエンジニアサービス詳細をご覧いただければ幸いです。
普段はシステムコンサルティングと受託開発を行っている我々ですが、2020年3月頃から初めて自社サービスの開発に取り組みました。コロナ禍ということもあり『フルリモート』で開発し、そこから多くのことを学んだので、コラムでもご紹介させていただきます。
※追記:書いていたら長くなってしまったため、2回に分けて掲載いたします!
※当社で開発した自社サービスのご紹介はこちらから
▶ https://eggsystem.co.jp/own_site
まずは今回開発したサービスの背景からご説明します。
オンラインで完結、無料の簡単CSV変換サービス『DataConvert』
サービス開発へ取り組むことになった背景・きっかけ
当社が担当させて頂いているお客様の案件で、ERPやECサイトを導入することがありました。
コンサルティングエンジニアサービスをご提供しているため、当社ではシステム導入の計画、業務設計などを担当させていただいたのですが、そこで感じたのは以下の課題でした。
「APIが使えない場合、システム間でのデータのやり取りはcsv出力→csv取込となるが、システム毎に対応する項目の並び順が違ったり、フォーマットが違ったりするので、データを変換しなければいけない。しかし、データを変換するためだけに高額なデータ変換ソリューションを導入するのは費用対効果が見合わない。」
API:Application Programming Interface(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)、広義ではソフトウェア同士が互いに情報をやりとりするために使用するインタフェース(接続箇所)の仕様を指します。
最近のSaaS(必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウェア)は、安価で使いやすく優秀なシステムが多くあります。SaaSでは特定の業務や領域の課題に対応するシステムが多いため、例えば、在庫管理であればクラウドのAシステムを使うと良いが、出荷指示や出荷実績などの倉庫との連携はBシステムが必要で、最終的に請求書を発行して売上計上するためにはCシステムが必要となる、というケースになりがちです。
そうなると、AシステムからBシステムへデータを連携し、BシステムからCシステムへデータを連携する必要があります。各システムが全てAPIで接続できればよいのですが、APIを開放しておらずアクセスも許可していないシステムも多いため、どうしても「csvデータを取り込む」という業務が残ってしまいます。
また、ベンチャー・中小企業ではIT人材が不足しているという背景もあったので、非エンジニアでも手軽にWebブラウザで簡単にデータ変換できるサービスがあると良いなぁ…と思ったことが開発のきっかけです。
無料の簡単CSV変換サービス『DataConvert』をリリース
実際に開発したサービスがこちらです。
『DataConvert』
https://convert-service.x-face.net/
※プレスリリースはこちらです。
https://eggsystem.co.jp/news/20200515-dataconvert
サービスの概要としては、以下のとおりです。
◯ システムから出力したCSVファイルを、別のシステムへ取り込む際にご活用頂けます。
◯ 取り込み先のシステムに合わせて「項目の並び順を変える」「コード値を変換する」「決まった値をセットする」などを手軽に誰でも無料で行うことが出来ます。
◯ アップロードしたCSVファイルと、変換後のCSVファイルは1時間後に自動削除されます。
◯ セキュリティで保護された環境で処理を行っているため、セキュリティ面も安心して利用できます。
開発体制と期間
それほど大きなシステムではなかったので、小規模の体制で開発を行いました。
前提として、当社では社員だけでなく、複業メンバーと一緒に開発を行っているので、今回の自社サービス開発においても複業メンバーに入ってもらいました。
【開発体制】
プロダクトマネージャー:私(高橋)
開発メンバー:3名(社員1名、複業メンバー2名)
【期間】
2020年3月頃から開発をスタートし、5月上旬にリリース。
自社サービス開発の振り返り
良かったこと
このサービスは私(高橋)の思い付きでスタートしたということがありまして、、、
まずは開発メンバーが頑張ってくれて、リリースすることができた、というのは最も良かった点です。
「自社サービスの開発やりたいんですよね」ということはいろいろなエンジニアの方が話されます。
自社サービス開発というと、「当たるか外れるか分からないので博打要素が強い」「資金調達する」「Exitしたら大金が手に入る」「何となくカッコいい」みたいなイメージがあるように思います。(私は何となくそういうイメージがありました…)
もちろんこれらのイメージが全く外れているわけではないと思いますが、自社サービス開発へ取り組むハードルを上げ過ぎてしまっている方が多いのではないかとは思いました。
ある程度のリソースが必要になりますし、サービスを開発してからしばらくは売上が全くあがらないので、会社としては先行投資になります。そのためハードルは上がってしまうのですが、1〜2ヶ月かけてひとまず開発してみる、というくらいであれば大きな投資にならず、すぐに着手できます。自社サービスに興味がある会社・エンジニアであれば『まずやってみる』というのが良いと感じました。会社としても、参画するメンバーとしても、経験値がたまるというメリットもあるからです。
少なくとも当社としては「自社サービス開発を行った」という経験は大きいです。
改善すべきこと
先述したとおり、DataConvertについては元々小さい規模のシステムを想定しており、『まずやってみる』という意味合いも強かったので、大きな反省点はありません。
強いてあげるとすれば、2つあります。
① UI/UXはプロに任せたほうが良い
今回の開発体制ではデザイナーは入っておらず、UI/UXは開発メンバーと一緒に検討して設計しました。DataConvertは非エンジニア向けのサービスなので、使い勝手をできるだけ簡単にすることが重要でしたが、やはり私や開発メンバーだけでは良いアウトプットを出せず・・・という状況でした。
結果的に、悪くはないけど最良ではない、という状態になっています。
(現在もまだ対応しきれていません…)
UI/UXを少しかじったことがあるという程度ではサービスの品質として不十分になってしまいますので、プロを入れてしっかりと画面設計をすべきだった、ということは反省点です。
② コミュニケーションを増やした方が良い
フルリモートで開発をしていたため、週次でオンラインの定例会は行っていました。
定例会で進捗確認はしていたのですが、ただ進捗状況を確認するだけの会になってしまったのは反省すべき点でした。
本来であれば、もっと頻繁にコミュニケーションを取り、開発の振り返りも週次で行いながら進めていくべきだったと思います。なぜなら、今回は最終的にフルコミットしている社員1名がほぼ全て開発を担当して仕上げることになったからです。
もう少しメンバーとコミュニケーションを取りながら、誰が何の機能を担当するのか、遅れたところは誰がいつキャッチアップするのか、といった議論をすることで高速でPDCAサイクルを回していけば、もう少し計画的に上手く進められたと思います。
ここまでが一つ目に開発した自社サービスです。
次にご紹介するサービスの方が規模は大きいので、良かった点と反省点がたくさんあります…(苦笑)
ということで、二つ目のサービスについては次のコラムでご紹介いたします。
続きのコラムはこちらです。
▶ フルリモートで自社サービスを開発しました|BorderlessGYMサービス開発の振り返り
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